しきなみ短歌会仙南法人支苑 第17回歌会
【最高点歌】
墓参にも来てくれるなと母は言う帰省叶わぬコロナ渦の夏
橋本 誠一
【高点歌】
亡き母の百四歳のお祝いは心の中でかすみ草添えて
野﨑 とね子
朝焼けの散歩の途中虫達は自慢の喉で秋の歌会
三戸部 志信
手を引いてカエラナイデとカタゴトゴそれがたまらず又会いに行く
石黒 克子
A型の僕はキッチン皿洗いO型妻は今日も晩酌
伊藤 秀樹
【結果】
水撒きを一緒にすれば孫と夫お風呂に遊ぶ間柄となる
相澤 郁子
会いたいと言えぬ思いが届くよに「お元気ですか」と残暑お見舞い
長尾 宏美
東の空に大きなお星さま夜半に目覚めて毎夜見上げる
結城 礼子
荒れ庭を子は黙々と草を刈る湿りをおびた気が香りたつ
佐々木 裕子
九月末ヒグラシの声聞こえ来る季節の変わり目に戸惑いがちに
小原 健一
着流しでそぞろ歩きの銀山川は夕暮れ時の大正ロマン
石黒 文夫
秋の陽のつるべ落としにせかされて家につけば灯がぬくい
苫米地 圭
大荷物持ったら駅でにらまれた帰省の息子の開口一番
青野 宏光
何度でも好きなテレビへヨチヨチと画面に残るもみじの手形
渡邉美紀子
草むしりに短歌のフレーズ思い出す誰かが詠んだ「輝きの時」
髙橋 慶一